エシカルブランド図鑑

仕事でもエシカルに：オフィススタイルで始めるサステナブルファッション

オフィスファッションにエシカルな視点を

日々の生活において、エシカルファッションを取り入れたいという関心が高まっています。それは休日のおしゃれだけにとどまらず、仕事の場であるオフィススタイルにも広がりを見せています。オフィスファッションは着用時間が長く、アイテム数も多くなりがちであるため、選び方にエシカルな視点を取り入れることは、環境負荷低減や社会貢献に繋がる有効な一歩となります。

しかしながら、オフィスという場ではTPOに配慮したスタイルが求められます。ビジネスシーンにふさわしい品質やデザイン、機能性を備えつつ、エシカルな基準を満たすアイテムを探すことに難しさを感じる方もいらっしゃるかもしれません。この記事では、オフィススタイルでエシカルファッションを実践するための具体的なポイントをご紹介いたします。

オフィスファッションでエシカルを考えるポイント

オフィスで着用するアイテムを選ぶ際に、どのような点に留意すればエシカルな選択となるのでしょうか。主なポイントは以下の通りです。

• 素材の選択: 環境負荷の少ない素材（認証付きオーガニックコットン、リサイクル素材、再生繊維など）や、耐久性の高い天然素材を選ぶ。
• 製造背景の確認: 労働者の人権や安全に配慮して製造されているか、フェアトレード認証の有無などを確認する。
• 品質と耐久性: 長く着用できる高品質なアイテムを選ぶことで、買い替えの頻度を減らし、廃棄物を削減する。
• タイムレスなデザイン: トレンドに左右されにくい、クラシックで着回しのきくデザインを選ぶ。
• 生産地: 地元や近隣での生産を選ぶことで、輸送にかかるエネルギーやCO2排出量を削減する（すべてのエシカルブランドが国内生産であるわけではありませんが、選択肢の一つとして考慮できます）。

これらのポイントを全て満たすアイテムを見つけることは容易ではないかもしれませんが、意識するだけでも選択肢は広がります。

具体的なアイテム選びのヒント

オフィススタイルを構成する主要なアイテムごとに、エシカルな視点からの選び方を見ていきましょう。

トップス（ブラウス、ニット、カットソーなど）

肌に直接触れることが多いため、素材選びが重要です。認証付きのオーガニックコットンやリネンは通気性が良く、肌触りも優しい選択肢です。また、テンセル™リヨセルなどの再生繊維も、環境負荷が比較的低い素材として注目されています。化学繊維を選ぶ場合は、リサイクルポリエステルなど再生素材を使用したものがエシカルな選択と言えるでしょう。デザインは、ジャケットやカーディガンに合わせやすいシンプルなものを選ぶと、着回しが効き長持ちします。

ボトムス（パンツ、スカート）

耐久性とシルエットの美しさが求められるボトムス。ウールやリサイクルウール、オーガニックコットンを使ったチノやデニム、再生繊維を使った落ち感のある素材などが考えられます。ストレッチ性が必要な場合は、リサイクル素材を含むものを選ぶなど、素材表示をよく確認することが大切です。体型に合った美しいシルエットのものは、自信を持って長く着用できます。

ジャケット、羽織りもの

オフィススタイルの印象を左右するジャケットやカーディガン。天然素材ではリネンやウール、オーガニックコットン。化学繊維ではリサイクルポリエステルなどが用いられます。仕立ての良さは耐久性に直結するため、信頼できるブランドやテーラードの技術を持つブランドを選ぶことが推奨されます。定番のデザインを選ぶことで、流行に左右されず長く愛用できます。

ワンピース

一枚でスタイルが完成するワンピースは、忙しい朝にも重宝します。素材、デザイン、製造背景の全てを考慮して選びます。洗濯のしやすさやシワになりにくさなど、お手入れのしやすさも長く愛用するための重要なポイントです。

シューズ

靴は素材だけでなく、製造過程での接着剤や染料、そして労働環境も考慮すべき点が多いアイテムです。植物由来のヴィーガンレザーやリサイクル素材、適切な労働環境で製造された天然皮革（認証やトレーサビリティが確認できるもの）を選ぶことがエシカルな選択に繋がります。修理しやすい製法のものを選ぶことも、寿命を延ばす上で重要です。

バッグ、小物

バッグや財布などの革製品を選ぶ際は、動物福祉や環境負荷に配慮した製造プロセスを経ているか、あるいは代替素材として耐久性の高いヴィーガンレザーやリサイクル素材が使用されているかを確認します。小物はスタイルを格上げするだけでなく、長く使える質の良いものを選ぶことで、サステナブルな消費に繋がります。

エシカルなオフィス向けブランドを探す

近年、オフィスでも着用できるようなクリーンなデザインのエシカルブランドが増えています。これらのブランドは、公式サイトで素材の調達先、製造プロセス、労働環境への配慮、環境への取り組みなどを詳しく公開している場合が多くあります。ブランドのウェブサイトやSNS、あるいは「エシカルブランド図鑑」のような情報サイトを活用して、自身の価値観に合うブランドを見つけることが、エシカルなオフィスファッション実践への第一歩となります。

すべてのアイテムを一度にエシカルなものに切り替える必要はありません。まずは毎日身につけるものから、あるいは買い替えが必要になったものから、少しずつエシカルな選択を取り入れてみてはいかがでしょうか。

まとめ

オフィスファッションにエシカルな視点を取り入れることは、ビジネスシーンにおける自己表現の一つとなり得ます。素材選び、製造背景、品質、デザインといった多角的な視点からアイテムを選ぶことで、環境や社会に配慮した賢明な消費行動を実践できます。すぐにすべてを完璧にするのは難しいかもしれませんが、今日から意識して選ぶ一着が、持続可能なファッション業界への貢献につながります。自信を持って、仕事でもエシカルな選択を始めてみましょう。