エシカルブランド図鑑

足元から始めるエシカルファッション:靴・フットウェア選びのポイント

Tags: 靴, フットウェア, エシカル素材, 選び方, サステナブル

足元から始めるエシカルファッション:靴・フットウェア選びのポイント

日々のコーディネートに欠かせない靴やフットウェアは、ファッションアイテムの中でも特に多様な素材や製造工程を経て生まれます。その生産過程は、環境や社会に大きな影響を与える可能性があります。エシカルファッションを意識する際、衣服だけでなく、足元にも目を向けることは非常に重要です。

この記事では、エシカルな視点から靴やフットウェアを選ぶためのポイントや、考慮すべき素材について解説いたします。足元からエシカルな選択を始めるための一助となれば幸いです。

エシカルな靴・フットウェアとは?

一般的な靴の製造においては、皮革のなめし工程で使用される化学物質、合成素材の生産・廃棄による環境負荷、そして工場での労働環境問題など、様々な課題が指摘されています。

エシカルな靴・フットウェアとは、これらの環境的・社会的な負荷をできる限り低減するよう配慮して生産された製品を指します。具体的には、以下のような点が考慮されています。

エシカルな靴・フットウェアの主要な素材

靴に使用される素材は多岐にわたりますが、エシカルな選択をする上で特に注目したい素材とその特徴をご紹介します。

1. 植物由来の代替レザー

動物の皮革に代わる素材として、近年注目を集めているのが植物由来の代替レザーです。パイナップルの葉の繊維から作られる「Pinatex(ピナテックス)」、きのこの菌糸体を利用した「Mylo(マイロ)」、リンゴの皮や芯から作られる素材、トウモロコシ由来のポリウレタンなど、様々な開発が進んでいます。これらの素材は、従来の合成皮革に比べて石油由来成分の使用を減らし、廃棄物の有効活用につながる可能性があります。

2. 天然素材

オーガニックコットン、ヘンプ(麻)、ジュートなどの天然繊維は、適切な管理下で栽培されたものであれば、環境負荷が比較的低いとされています。通気性や耐久性に優れるものもあり、靴のアッパーやインソールなどに使用されます。また、天然ゴムは、持続可能な森林管理のもとで栽培されたものであれば、合成ゴムの良い代替となります。

3. リサイクル素材

使用済みのペットボトルや古着から再生されたポリエステル、リサイクルされたタイヤゴム、漁網などの海洋プラスチックごみから作られた繊維など、様々なリサイクル素材が靴のパーツに活用されています。廃棄物を減らし、新たな資源の消費を抑えることに貢献します。

4. その他

コルクは再生可能な樹皮から採取され、クッション性や断熱性に優れています。また、竹繊維やリサイクルウールなども一部のブランドで使用されています。

エシカルな靴・フットウェアを選ぶ際のポイント

素材以外にも、エシカルな靴を選ぶ際に考慮したい重要なポイントがいくつかあります。

足元から始めるエシカルな選択

エシカルな靴・フットウェアを選ぶことは、環境保護や社会正義に貢献しながら、自身のファッションを楽しむための一歩です。完璧を目指す必要はありません。まずは、今履いている靴の素材について調べてみたり、次に靴を購入する際にこの記事でご紹介したポイントを少し意識してみたりすることから始めてみてはいかがでしょうか。

足元から小さな変化を起こすことが、やがてファッション全体の倫理的な変革へとつながっていくことでしょう。